2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

バラエティ・ギフト

樹川さとみ・楽園の魔女たちの最新刊『楽園の食卓(前編)』を買う。令さまにならって(笑)チラシの〈乙女ちっく通信〉を見ると、12月末で『バラエティ・ギフト』という新刊が出るそうですが、題名からすると雑誌に載せていたという未収録の短編プラスとい…

―――――――――怖くないですか、ねえ?

静さまの座敷わらしって。 恐怖に震えつつ、つかのまの夢を見よう。われ泣きぬれて静さまと戯る。 おやすみなさい。

――「第四の薔薇さまですって?」

「そんなものがいるはずは……え?」 蓉子は目を疑った。 ――この場、高等部図書館にはいま、確かに、聖と江利子、そして自分しかいないはずなのに、 「……なによ、これ?」 何度数えても、四人いるのだ。 「どうしたのよ、蓉子」 「だって江利子、何度数えても…

コバルト日本昔ばなし

カウンターがもう少しで〈6666〉になりそう。何かしら、これって。呪われし第四の薔薇〈ロサ・カニーナ〉?――うそです、すみません静さま。

気がつけば一回忌

じゃなくて一ヶ月。縁起でもないが月日は早い。とにかく今ごろになって気がつきました。いま現在、カウンターは6500過ぎ。回してくださった方々に(自分も含めて、か?(笑)に感謝。ご恩は忘れぬほどに、今後ともよろしくm(__)m

感想――令・江利子コメディ『真冬の1ページ』

今日はGMF、黒橙霞月さんの『真冬の1ページ』を読む。GMF http://homepage3.nifty.com/GrassMoonField/令と江利子のギャグ・コメディ。連載で、まだプロローグと第一話だけなのだけど〈真冬の一ページ〉の〈真冬〉ってあれですよ、あれ。冬のコミックマーケ…

抑圧、そして〈恋愛〉の開放

全般傾向として、恋愛主題の少女小説の書き手としての側面こそが色濃い氷室が、こういった形で〈恋愛〉を排除して物語を作るというのは、興味深いことです。そのあたりは向き不向き、個人的好悪(もっとも氷室は吉屋の愛読者でもあるようですが)、編集の方…

恋愛の排除 

この〈悲劇〉→〈喜劇〉は、時代の変化にもとづく、ある意味での〈進歩〉といってよいように思います。吉屋の作品が〈悲劇〉で終わらざるを得ないのは、明らかに「女子三従」の家父長的な時代制約の反映ですから。つまり女子校を舞台にした作品が悲劇に加えて…

悲劇から喜劇へ

比較のために吉屋信子*1と氷室冴子*2を引き合いに出して考えてみます。吉屋の作品というのは簡単にいえば『いばらの森』劇中の須加星が書いたような小説、つまり〈悲劇〉です。それに対して氷室は『クララ白書』(1980)、続編の『アグネス白書』(1981-82)にお…

恋愛装置としての〈スール制度〉

ところでその〈スール制度〉の話なんですが、この設定はやはりいろいろと興味深いです。教育の一環として〈お姉さま〉呼称が日常化している空間。まあ読む人間は当然「そのような非日常的な空間が今時、実際にありえようか。いや、ない」と思いながら〈空想…

鳴らない電話、続かない続き(>19日)、そしてスール制度について

先日の続きにならない続き。それに題名に意味がありませんね。恐惶恐惶。mafuneさんの『名を。』の笑いについては、『最良の日?』のSableさん自身が『薔薇道』のBBSに書き込んだコメントがあって*1、劇中で妹達の用いる「〜ッス」といった〈後輩喋り〉を含…

設定改変――『銀杏鉄道999』

『黄薔薇さま』感想の続きを書こうと思ったのですが、何か全然別な話になりそうな予感。――まあ、いいのかしら?というわけで上記の続きは少し措いて、ずっと迷っていたのですが、999の車掌さんと機関車の配役をセッティング、ないし改変しました。車掌は予定…

〈らしさ〉の問題

でもって、同時期に上梓されたmafuneさんの『名を。』も、たまたま江利子さまなので、なんか考えたりもするわけですよ。「なんかどっちも凄く〈らしく〉ってよ、モナミ」とか。――え? 私がファンなだけですか? そこのあなた、そうじゃないでしょう、ふふふ…

今日の感想『黄薔薇さま、人生最良の日?』

Sableさん『L'eau de rose』 http://sable.fc2web.com/蓉子視点のコメディ。月初めの一日、やたらとご機嫌でやって来た江利子に「あれかな」「あれでしょ」と眉をひそめる蓉子と聖。なぜなら二人は、いつもいつも、きっかり一ヶ月周期で「あれ」、江利子の〈…

感想――『黄薔薇さま、人生最良の日?』

地元の地方局でいつのまにか999の再放送が始まっておりました。計算すると今週の初めかららしいの。めでたし、海の星。というわけで、まずは、

彼女の属性は、

おそらく第一には〈理知的な美人〉蓉子や〈端正な美人〉聖とは違って、ストレートに〈美人〉であること。つまり先代三薔薇さまにおける、そこが彼女のポイントなのだけど、しかし〈美人〉という属性だけでは、事件が起きてもそもそも反応の〈しよう/させよ…

ところで江利子ネタは、

SSリンクを見る限りでは他に比して明らかに少ない。あっても往々にして、聖や蓉子の添え物だったりする。何でだろう? ひとつ考えられるとすれば、やはり、つかみにくいキャラ、〈事件を起こしにくい〉人だからか。

遥かなる江利子さまへの讃歌

mafuneさんの『名を。』がアップされるのと前後して、L'eau de rose のSableさんも『黄薔薇さま、人生最良の日?』を上梓。どちらも偶然、江利子さま。面白いので、次回くらいで並べて考えてみようと前向きに考えています。今晩は余裕がないのだけど(T_T)

というわけで新作『名を。』

江利子さまと令さまのやりとりで始まる。卒業前夜、迫り来る別れをいとおしむ二人。――中ごろまで真面目一直線に、引く、引く、引く、引く。引くだけ引いて、三薔薇さま、まっしぐらにご乱心。この〈破〉へ一転の迫力よ。こういった序破急のバランスと、そし…

全ての道はローズに通ず

というわけでmafuneさんの『薔薇道』とリンク。つっかボケっとしている間に、先方が先にリンクしてくださってたので慌てて。おりから新作まで上がったので二度おいしい。『薔薇道』 http://mfune.fc2web.com/

前前回更新の『トラピスト』

最終章訂正。(1)「志村さんのホームページを見て、メールで問い合わせ」→「ページを見て、問い合わせ」。ここでばらしてはいけませんでした。 (2)「小寓寺は観光コースではないと、令が言った」→「たったいま、志摩子が言った」に。 m(__)m いずれも改変した…

というわけで、

二つ目はもっと簡単な問題で、一人称文体における内面描写は、十中八九〈地の文〉を――下手をすると読むに耐えないくらいに――長くしてしまいます。軽妙さは間違いなく失われますね。で、えっと、――何の話が肝心なんだっけ? そうそう、まあ当人の視点で当人の…

第一に、

〈内面〉を描写するのに一人称で書いた場合、下手すると〈全部〉書かなきゃいけないからです。いかに紙上のキャラとはいえ、ひとりの人生を筆一本に閉じ込めるのは簡単なことではありません。多少うまく書いたところで、凡手では鬱陶しく、くどくなるか、あ…

視点について

というわけで反省文の続きなんですが、ちなみに『涼宮ハルヒ』については、スニーカー大賞に選出された際の選評に「一人称視点だけど最後まで読ませる」というのがあって、ああそうか、ライトノベルやジュニアノベルって、基本的に非一人称が多いのか、と考…

今日の感想『一年生の秘密と決意』

月花さん、サイト『月花話房』 http://tenga20.hp.infoseek.co.jp/tukihana/home.htm リンクフリーとのことですので引用させていただきます。〈原則〉祐巳視点によるコメディ。一年生の恐るべき〈秘密〉――由乃が受けたのは手術は手術でも〈改造手術〉、志摩…

感想――『一年生の秘密と決意』、および反省文残余

そうそう、新作冒頭の『They are caught twice in the same snare』っていうのは『キツネは同じ罠に二度引っ掛からない(柳の下にいつも泥鰌はいない)』のもじりです。――あんまり意味ないわね、今になって思うと。ウザイので、あとで削ります。冒頭からまた…

現実の設定を導入することの〈本質的な問題〉

〈現実の文脈を導入する〉ということは、必然的に以上のような判断を要求するということでもあります。しかし、それは、たとえ現実の知識に照らして妥当であっても、――いや、妥当であればあるほど、SSの範囲を逸脱して、ただの〈オリジナル〉に成り果てる…

現実の設定を導入することの〈問題〉

この話はもともと、ボーイズ作家・菅野彰のエッセイ集『海馬が耳から駈けて行く』(四冊出てますが第三巻だったかな?)で、締め切り時に錯乱する知り合いの漫画家のセリフとして「ああ、この一枚のトラピスト・クッキーの方がどれほど世のお役に立つか。も…

というわけで……

ところでこの、おおもとの原稿は、このサイトを開くあたり、十月下旬に書いていたものです。つまりは開始当初のアップ向け備蓄として書いたのですが、それがいつまでもアップできなかったのは、書き方から長さに至るまで、全てが二転三転したからです。いち…

まずはお詫びを

今回、掲載稿がアップ後二転三転しております。せっかく来てくださった方、ことにマリミテSSリンクのアップ情報でクリックしてくださった方には、申し訳ないことをいたしました。きちんと固まってからアップし、通知もする、という礼儀に欠けておりました…