前半クライマックス。

 コンビニへ買い物に出た大御所蓉子さんを唐辛子色の車が追いかけてきて、
「やあ、奇遇だね、蓉子さん。ちなみにやはり、次世代の紅薔薇のつぼみには長幼の順を重んじて、長子をこそ後継ぎに立てるべきだと思うんだけど、どう?」
「同級生なんだから、長幼も何もないでしょう」
「まあそうつれないことをおっしゃらずに、どうです、久しぶりにリリアン近くでコンビニにでも出かけるというのは」
「久しぶりって、そもそも私、学校の帰り道に買い食いなんてしたことありません」
「いえ、つまりこれは、かつて江戸から駿府まで訴えに来た春日局に対し『久しぶりに武蔵野で狩りでもしてみるか』と応答して、暗に彼女のフォローをする意思を表明したという徳川家康にならってということで……」
「だいたいあなたに何の関係があるというの。すっこんでらっしゃい」
 蓉子さんはつれなかった。
 柏木は肩をすくめてそのまま引き下がることにした。

                       (完)

――――って、役に立たない春日局じゃ。

こんなことばかり考えてます。そろそろ何か書きたいな。でも手がいうことを利かないのが人の世の常(嘆息)