解題

スペースがないので、一応読んでくださる方は、銀英伝の概要はご承知ということで、簡単に。原作(新書十巻本)の第一巻末から第二巻にかけて。アニメでは第16話「新たなる潮流」。アムリッツァ星域で自由惑星同盟軍を大破、凱旋したラインハルトを待ち受けていたのは皇帝フリードリヒ四世、にわかの崩御

後継者を定めぬまま急死した皇帝の跡目相続をめぐり、宮廷の下馬評では先帝の女婿であるブラウンシュバイク公かリッテンハイム侯、――門閥貴族の領袖である彼らの息女が有力候補とされていたが、先朝の権臣である国務尚書リヒテンラーデ侯は、門閥貴族の外戚が国政に容喙することを忌避。

かくして侯は、先帝の直系男子でありながら、幼少でしかも母の身分が低いため候補外とされていたエルウィン・ヨーゼフを皇帝に擁立。その後ろ盾として、門閥の武力に対抗できるラインハルトと手を組み、宮廷はラインハルト=リヒテンラーデ派と門閥貴族陣営とで、真二つに分断されることとなりました。

で、いま手元に資料がないのでウロ覚えですけど、アニメ第16話Bパートは、フェザーン領主ルビンスキーと、補佐官のニコラス・ボルテック(のちにルビンスキーを裏切る)の現状分析ではじまります。ボルテックが両門閥の息女を有力候補として紹介するのに対し、ルビンスキーはダークホースの皇孫が国務尚書に迎立される可能性を示唆。そして両人の予測どおり、国務尚書は新帝たる幼君の後ろ盾として「金髪の竪子」ラインハルトと提携。事態は急速に大内乱、リップシュタット戦役へと向かって展開していく。――

このアニメ版のワンシーンと『子羊たちの休暇』とのクロスでございます。てへ。