解題

原作『透明の女 ガラスのクレア』、テレビ版では第3話『タイタンの眠れる戦士』前半部分。のちに東映マンガまつりで劇場版『ガラスのクレア』として完全リメイク上映されました。ストーリーは、ガラスの機械の体を厭って、生身の体に戻るお金を稼ぐため、ウェイトレスとして働く少女クレアが、宇宙トンネルの悪霊から鉄郎を守って死に、あとには涙の形をした一粒の欠片だけが残された――、という展開は全く同じです。
ちなみにこのキャラを1エピソードだけで殺してしまったことを、松本零士はずっと後悔していたそうです。じっさいレギュラーの少ない999で、母に強制されてなった機械の体を嫌って、生身に戻ろうとするクレアは、〈母親の遺志で機械の体を求める〉生身の鉄郎や、母の意思に寄り添って生きる――恐らくは機械の体の――メーテルとは、ある種のネガになるわけです。良くも悪くも話を膨らませえた可能性は否定できないでしょう。
原作者のこの後悔を反映してか、映画版ではクレアは主要キャラとして再登場、最後に鉄郎を襲撃するプロメシュームと、心中する役割を与えられました。また原作では、終末で〈クレアの母親〉である機械帝国の案内人・メノウが登場して、ネジにされそうになる鉄郎を救う役割を果たすことになります。
――ちなみに、うちのクレアは今回、死ぬ予定はありません(^_^) それから冒頭の彗星の話題は付け焼刃なので、間違ってるところをご存じよりの方は教えてください。彗星の巣の話題自体は『彗星図書館』(テレビ版だと第6話)に登場します。