罵る鉄郎、殴る鉄郎

『999』のクライマックスは映画か、テレビか、原作かで、筋の展開がかなり異なりますが、今日はそのうちで些細な演出にかかわる相違を取り上げてみようと思います。
テレビシリーズ最終回では、鉄郎はメーテルを罵ります。すなわち機械の体を拒絶した鉄郎は、女王プロメシュームの命令で逮捕されて、目の前のメーテルを罵倒するのです。

メーテル、これは君の命令でもあるのか!?
言うことをきかない者は、逮捕して処刑しようっていうのか!?
汚いぞメーテル! メーテル!……(連行されていく)

映画版だと、かてて加えて罵るどころではすみません。殴ります。
メーテルが自分を連れてきた目的を知って、しばらく押し黙ったかと思うと、「汚いぞ!」と叫んで殴り飛ばすんですね。メーテルの頭から帽子が転がり落ちる勢いで。その直後、ヤツは機械帝国の近衛士官に警棒で殴り倒されて、気絶しますけど、これは報いですか、天罰ですか? 私はこの映画のこのシーン、いつ見ても、報いが直ちに降りかかったとしか感じないのですけど。ええ、まったく、殴るのはいけませんよ。