SSの感想――『祥子 in さちこ。』 『一週間狂詩曲』

今日は寒い。寝る前にSSの感想を書こうと思う。

リンクしていただいている〈オレンジペコ〉の、すかっちさん『祥子 in さちこ。』、島原薫さんの寄稿『一週間狂詩曲(ラプソディー) 〜薔薇さまの場合〜 』。どちらもコメディ。ちなみにコメディが書けると大概のものは書けるというが、そういったことを何となく実感する。――いや、単に好きなだけでもあるのですが。

 オレンジ・ペコ http://nagoya.cool.ne.jp/marimite/index.html

『祥子 in さちこ。』、祥子を視点に据えた、幼稚舎時代の一日。幼児なのに硬い言葉遣いという取り合わせが、いかにも〈祥子〉らしい。その祥子を〈さちこ〉と表示するあたりなども〈らしさ〉を感じさせる配慮で読みやすい佳篇。そういえば祐巳も実は幼稚舎からのリリアン生え抜きだったことをすぐ忘れそうになる。

『一週間狂詩曲(ラプソディー)』、乃梨子を視点に据えた、近々来るべき二年生修学旅行時の残留組、妹のいなくなった状態での紅薔薇さま黄薔薇さま両名、――そのご乱心の日々。時期設定と視点が決定した時点で、楽しく読めると決まったようなものだろうか。加えて〈妹不足〉に陥った紅/黄ふたりの描写も、見せ掛けの冷静→焦燥/フヌケ→ご乱心(「ハァハァ」お見事!)→幻覚症状→退場、と、適確に(笑)展開されている。笑うべくして笑わされる。

『ユーモアは人生の調味料』(パタリロ)、『リリンの文化の極み』(渚カヲル)などという言葉を、つくづく思い出したのですよ。

ところでフランスの何とかいうおばはんが「1879年にルイ16世の椅子を買うような人間こそが、本当の目利きなのだ」といったとか。まあそこまでの気合と根性の入った目利きは無理なのだが、及びもつかぬにしても、今度はお知りあいでない人の作品をきちんと読んで、感想を書けるように努力しようと思いつつ、今日は就寝します。ごきげんよう