今日の感想『一年生の秘密と決意』

月花さん、サイト『月花話房』 http://tenga20.hp.infoseek.co.jp/tukihana/home.htm
リンクフリーとのことですので引用させていただきます。

〈原則〉祐巳視点によるコメディ。一年生の恐るべき〈秘密〉――由乃が受けたのは手術は手術でも〈改造手術〉、志摩子さんは「足音と気と匂い」だけで人を判別できるエスパーだった。それに対して「私って何もない……」と落ち込む祐巳、――

――って、あなた祐巳、そこは落ち込むところじゃなくってよ。山百合会を彼女たちの魔手から守る――ってのがセオリー的な展開よッ!(笑)

ところで先日読んだ『涼宮ハルヒの憂鬱』(谷川 流、角川スニーカー文庫
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200303000354

キョン」という通称以外は実名の全くわからない〈俺〉一人称視点の作品。変人・涼宮ハルヒと、彼女に引きずりまわされる〈俺〉。その二人の周りに集う三人の男女、実は〈宇宙人〉〈未来人〉〈エスパー〉だった。三人がハルヒに唯々諾々と従う理由は、ハルヒと、そしてただ一人のノーマルを自認する〈俺〉が、実はある奇怪な力の持ち主だったから、――てな話なのですが。

〈Aはヘン、Bもヘン、それに対して〈私〉はノーマル――だったはずなのに、実は○○○○!〉。この〈実は……〉の展開を踏襲した『秘密と決意』、ただ〈○○○○〉の中身が少し素直すぎるかしらね。きれいではありますが。

といって〈祐巳は知らない。実は彼女こそは全人類を誘惑するために作られたロボット、アンドロイドだったことを!〉――なんてやったら、あんまりですか(笑) 『超電磁ロボ・コンバトラーV』で、ラストぎりぎりまで自分がロボットと知らなかったガルーダみたいに知らなかった、というのは(^^;)

もっとも〈エスパー(人間)〉→〈改造人間〉→、と来ると次に来るのは〈非人間〉てことになりそうな気がするわ。混沌の科学者、先代ロサ・ギガンティア博士によって妹、佐藤聖を誘惑するために作られた祐巳は、マリア像の下から発掘された超古代科学技術の粋だった、とか。――冗談ですわよ、ええ。書きませんわよ。

それはおいて『秘密と決意』は、最後のくだりで視点が三薔薇さま視点(?)になってしまうのは惜しいように思います。〈〈祐巳の知らない〈祐巳〉を観察する三薔薇さま〉を祐巳自身が観察する〉――こう書くとややこしいけれど、書ければその方がきれいに決まると思うんですが。どうかしらね?