第一に、

〈内面〉を描写するのに一人称で書いた場合、下手すると〈全部〉書かなきゃいけないからです。いかに紙上のキャラとはいえ、ひとりの人生を筆一本に閉じ込めるのは簡単なことではありません。多少うまく書いたところで、凡手では鬱陶しく、くどくなるか、あるいは底が浅くなることは避けられないでしょう。

――何ですって、凡手とは私のことだろうって? 何をおっしゃる、そもそも私は〈内面〉なんて書きませんわよ。だって自慢じゃないけど、繊細さなんてかけらもない、ただの駄洒落メーカーですもの、しくしく……われ泣き濡れて静さまに戯る。

閑話休題。メイクなおし、メイクなおし。